店主からのご挨拶

むかしむかし、まだ前を通る322号線が舗装されていない頃の更に前、現在80歳の私が生まれた時から、そこには、お店がありました。

そのお店は、祖父母である中野五一、中野サヨが始めたお店でした。

その頃、周りに商店らしきものは無かったらしく、主にお米とお酒、それと煙草の販売を行っていたそうです。

また、戦中戦後は物資の配給所としても使って頂いていたと聞いています。

当時、この地では電話やトラックの存在が珍しく、ご近所への電話の取次や急病人の病院への搬送等、地域の連絡所としてもお手伝いをさせて頂いていたようです。

戦後の経済発展時、地方の道路整備等も行われ、バス停が目の前にあることも手伝ってか、中野酒店の角打ちは大層盛り上がり、地域の方や近所の現場作業の方々が、ちょっと寄って楽しんで帰る場所として使って頂きました。

その後、周りに住宅が増えると共に、かじや等のスーパーマーケットもできましたが、当時はお米もお酒も専売制でしたので、年の瀬には地域の方から、配達等で大層ご贔屓にして頂きました。

しかし、規制緩和の流れを受け、お米やお酒のディスカウントストアが建ち、中野酒店は他の多くの個人商店と同じく、その役目を終えることとなりました。

時は流れ、この地に再び、形を変えて、地域の皆様に愛され、お役に立てる店を目指し、「中野屋」として復活させる運びとなりました。

どうぞ、末長く、よろしくお願い致します。